犬の里親になる事、それと犬種や子犬にこだわる人を否定するのは違う《飼い主編》
こんにちは、テンです。前回の《ブリーダー編》の続きです。
前回は、「悪質なブリーダーはダメだけど、だからって真面目なブリーダーまでひとくくりに否定するのはおかしいし、犬種を守るためにも必要な職業だよ~!!」ってな結論に至りました。
さて今回は、わたし達飼い主側のことを考えてみましょう。
犬を飼うときには里親になるのが正義で、犬を買うのは悪という風潮
まずは前提把握、今日本でどれだけの犬たちが保健所で「順番待ち」をしているかを知りましょう。
犬の保健所「待機数」と「殺処分数」2016年
環境省の統計資料によると、2016年に保健所に引き取られた犬の数は46,649匹
殺処分された犬の数は15,811匹だそうです。なんというか、もの凄い数ですよね。亡くなった犬たちにはもちろん、直接では無いにしろ対応した職員さんたちを思うとツライ気持ちになります。
里親になろう、と声を上げる人が多いことにもうなずけます。こういった数字が事実としてあるから、「犬を買う」人たちがその数字を無視しているかのように見えてしまうこともあるんでしょうね。
「犬を買う」のは悪か?「犬種にこだわる」のは悪か?
そもそも犬をお金を出して購入することや、犬種にこだわりを持つことは悪なのでしょうか。わたしは犬は家族であるけども、人間とは違う生き物であることを忘れてはダメと思っています。
寿命も違うのは当然ですが、一生世話をするのが前提であり、食べるもの好きなこと、そして習性。人間とは何から何まで違う生き物です。しかも犬種による個体差が大きい。人間と同一に見てしまうと犬らしさを失うばかりか、それが健康状態に悪く影響してしまうことだってある。
何より、犬は「嚙める」動物です。
しつけを通して愛情を与えることで「噛まない」を選んでいるだけで、本気になった中型犬や大型犬に勝てる人間がどれだけいるでしょうか?
だからこそ、犬を飼うときには自分のライフスタイル、庭の有無とか部屋の広さとか、しつけがちゃんと出来るかどうかとか……そういった「自分の生活環境」と「それぞれの犬が適している環境」が合うかどうかを照らし合わせることって大事なんです。
その部分のズレが大きくなると飼いきれなくなって、里親に出したり保健所に引き取ってもらったりという結果になる。
「昔から憧れていた犬種を選びに選び抜いて、大金はたいて家族として迎え入れた」こういう人は犬を捨てないでしょう。むしろ大事にして相棒として犬を幸せに出来ると思います。
保健所に居る犬を救うのは大事なことでも、そういう人たちのそういう飼い方を否定するのは間違ってると、わたしは声を大にして言いたい。それに、「保健所や保護団体から引き取った」っていうことだけにスポットがあたって、その後どういう風に飼っているかを気にする人が少ないよね。無料だからって引き取って適当に飼っている人だって多いと思うんだけど。
「ペットショップ」は悪か?売れ残りの犬はどうなる!?
最近ではペットショップを毛嫌いする人も増えましたね。確かに、人の目に常にさらされてきったないショーケースに並ぶちょっと大きくなっちゃた明らかに売れ残っている犬なんかを見ると、これはダメでしょう…と落ち込みますよね。
ネットなどの情報を見る限りでは、売れ残った犬は里親に出されたりなど出来る限りの手を尽くして、それでもダメな場合には保健所、という流れになるそうです。でもこれってどこまで本当なのかな?
すべてのペットショップがそうとは言い切れないだろうし、優良な店もきっとあるでしょうし。ちょっと分からない。
ただ、「子犬は高値」っていうのは見れば分かります。ちょっと大きくなったワンちゃんは大幅値引きされて売られてますからね。ペットショップについてわたしは悪かどうか答えが分かりません。悪質なのは悪ですが。
結局のところ、「最後まで責任持てない飼い主」が一番の悪。
犬を飼うときには犬種にこだわってもいい、その上で里親って選択肢はまだある
犬を飼うときに犬種にこだわることも、お金を出して買うことも悪だとは思いません。だって10数年、長ければ20年近く世話をして一緒に暮らすんだもん。しかし飼いたい犬種や犬のイメージが浮かんだら、一度里親っていう選択肢を入れてみてはいかがでしょうか。
自分が優先的に里親になることで救われる犬が増えるのはまぎれもない事実です。
でも最終的に、犬を買おうが里親になろうが、最後まで大切に出来ればそれが正義。